フランクリン・ローズベルト ― 恐怖に負けない勇気
「失敗したらどうしよう」「自分には無理かもしれない」
新しいことに挑戦するとき、誰もがそんな不安を感じるものです。
今回ご紹介するのは、アメリカ第32代大統領、フランクリン・ローズベルト(1882~1945)の言葉です。
「われわれが恐れるべき唯一のものは、恐怖そのものである。」
この言葉は、1933年の大統領就任演説で語られました。
当時のアメリカは、1929年に始まった世界恐慌の影響で深刻な不況に陥っていました。多くの人が仕事を失い、銀行が相次いで倒産するなど、人々の生活は大きな不安に包まれていました。
そんな混乱の中で大統領に就任したローズベルトは、国民に希望を呼びかけるとともに、経済の立て直しに取り組みます。
それが、歴史教科書にも登場する「ニューディール政策」です。
ニューディール政策では、政府が経済に積極的に関わり、公共事業を通じて雇用を生み出したり、銀行制度を立て直したりする取り組みが進められました。
こうした政策によって経済は一定の回復を見せましたが、それでも不安に包まれた社会に対して、具体的な政策を実行したことは重要な転換点となりました。
その後、第二次世界大戦が始まると、ローズベルトは連合国の主要な指導者として重要な役割を果たします。
1941年にはイギリスのチャーチル首相とともに「大西洋憲章」を発表し、戦後の平和や国際協力についての原則を示しました。
さらに1945年には、チャーチルやソ連のスターリンと「ヤルタ会談」を行い、戦後の国際秩序について話し合ます。
このように、ローズベルトは世界恐慌と第二次世界大戦という、歴史上の大きな困難に向き合った人物でした。
さて、冒頭の言葉に戻りましょう。
「恐怖そのものを恐れよ」という言葉は、不安にとらわれて行動できなくなることこそが、困難を乗り越えるうえで大きな障害になるという教えとして受け取ることができます。
これは、私たちの勉強にも通じるものがあります。
苦手な数学の問題を前にして、「どうせ解けない」と諦めてしまう。受験が近づいてくると、「不合格だったらどうしよう」と不安ばかりが大きくなってしまう。
もちろん、不安を感じること自体が悪いわけではありません。不安があるからこそ、準備を重ねたり、慎重に考えたりすることもできます。
大切なのは、不安に立ち止まるのではなく、今できることを見つけて行動することです。
まずは一問解いてみる。分からなければ質問する。昨日できなかったことに、もう一度挑戦してみる。
そんな小さな一歩の積み重ねが、やがて自信につながっていくのだと思います。
「できるかどうか」を心配するより、まず「何ができるか」を考える。
その一歩が、未来を変えるきっかけになるかもしれません。
